オスカーとユーリについて

私は萩尾望都先生の世界観が好きで、中学生の頃から成人を迎えた今でも何か創作する時は常に「トーマの心臓」を横に置いているんです。

そしてオスカー推しのオタクです💦

だからといって、ユーリとオスカーがくっ付かないのは何で!?なんて嘆くほど野暮でもありません。(むしろくっつかない方がおいしい…)

ここで語りたいのはオスカーが何故こんなに私をしんどくさせるのかについてです。私による私の為のオスカー考察です😖

 

“ユーリを救うのは何故オスカーではなかったのか?”

これは本当に中学生の私が頭を悩ました問題でした。そこらへんの数学の問題より難しいですよ。だって、オスカーはユーリと同室でありながら彼の深層を垣間見たことのある人間ですからね?オスカー自身「ぼくは ユーリの手のうちはみんな見ぬいてて なにもかも知っているのにーーぼくがいちばんユーリを理解できるのに」と言っているんです。(何も知らないトーマに負けそうと焦るオスカーも推せる) それなのに何故オスカーにはユーリを救えなかったのか。それはユーリとオスカーが同じ存在であったからなんじゃないか、って思うわけです。

 

オスカーはきっと閉じ篭もったユーリの肩を抱くことはできるでしょう。しかし、エーリクやトーマのように自らの翼を差し出してユーリを引き上げることはできないと思うのです。 

それはユーリの言葉「神さま 神さま 御手はあまりにも遠い」から考察できます。

シュロッターベッツはカトリックであるので、彼らの信仰の一番大切にしなければならない教えは『互いに愛し合いなさい(ヨハネ13章34節)』なんです。隣人を愛さねば、神さまの御手をとることは出来ないんです。だからトーマはユーリに宛てた手紙に「ぼくが彼を愛したことが問題なのじゃない 彼がぼくを愛さねばならないのだ どうしても」と書いたのだと思います。自分が誰かを愛する資格があるのか?と悩むユーリに対して、トーマはこう語りかけることでユーリの罪を赦そうとしたんじゃないんですかね(わかんなくなってきた)。

でも、それができるのは隣人を愛することを知っている=翼をもっているトーマやエーリクなんです。

ここでオスカーです。やっとオスカーです。オスカーのしんどさを語る前に私がしんどくなってきた…。

オスカーに翼がないとは言いません。彼は隣人を愛することは出来ます。それはユーリを代表して校長やグスターフ親父やクラスメート…例えそれがどんな形であったとしても誰かを慈しむことをオスカーはちゃんと知っています。でも、彼は相手からの愛を甘受できないのではないか?と思うのですよ。

「ぼくは待っているのさ あの校長がーー今にーーぼくを養子にほしいっていい出すのをね」やら「ぼくの望んだことはーー気づいてくれることだったんだ」から見てとれるでしょう、オスカーの押しの弱さを(???)。いや、なんて言うんですかね…彼は愛を押し付けることは絶対にしないんですよ…そして愛を愛で返して貰えると信じていないんです…。愛した分だけ愛してもられるなんて、私からしたら幻想じみた事なんですけど、神さまを信じている身ならそうあるべきだと彼等は教えられてきてるはずです。でも、オスカーはそれが出来ない。何故か…?

それは訪問者で語られてると思うんです。

無償の愛の代表は、親子の愛なんです。親は無条件に子供を慈しみますし、子供は親の愛を求めるのですから。

けれど、オスカーの場合はそうじゃなかった。カトリックの中で何よりも尊いとされている無償の愛(アガペー)を得る事ができなかった彼の物語…それが「訪問者」です。オスカーはグスターフの“たいせつなもの”になりたかった。それでも彼は最も求めた父親を裁く存在にしかなれなかった。

ここからオスカーは愛する事はできても、愛を受けとる事が怖くなったのではないか?って私は思うわけです。……いやぁ〜〜しんどいしんどい!自分で書いててしんどいですわコレ!え?なんで?オスカーしんどくない?え?ムリムリ〜〜!!って言いながら書いてます。

オスカーは作中で「ぼくではだめか?」とユーリへ胸中語りかけるんです。でも、彼がそう言葉にすることは一生ないでしょう。出来たとしても、ユーリの瞳を見る前に彼は俯いて「なんでもない」って笑うんです(推せる)。それはユーリに対して愛を求めることが無意味なことであると、ユーリのジョーカーも全て知ってしまった彼自身だからこそ分かるんです。愛した人に愛されない虚しさを一番知っているのはオスカーだから…。

 

つまりそういうことなんです(察して)。

隣人を愛することができないユーリと、愛することは出来ても隣人からの愛を甘受できないオスカーでは幸せにはなれないんです。それは神さまの御手から遠ざかるなってしまいますから…つらい…

 

結論:オスカーにユーリはやっぱり救えない。でもユーリはトーマとエーリクに救われた。あれ…あれ、じゃあオスカー?オスカーは…?あぁぁ〜〜〜〜しんどっっ!!!

 

でした。

また考察します。自己満できてすっきり🌟